ハクライトのおすすめ漫画ブログ

大事な事は全部漫画から教わった!! 漫画大好きハクライトが、笑える、泣ける、懐かしい、面白い、楽しい、ためになる、おすすめ漫画を新旧問わず紹介していくよ!

再読時は1コマたりとも油断出来ない『外天楼』

皆さんは、短編よりも、長編連載を良く読む方ですか?

どうも漫画大好きハクライト(@hakuraito00)です。 

ONE PIECE、HUNTER×HUNTER、名探偵コナン、はじめの一歩etc。

それこそ販売部数がNEWSになる程売れまくってる漫画は、それだけ巻数も長い場合もありますよね。
ではコミックスが一冊だけに収まっているもの、所謂短編、一冊物は長編に比べて劣るのか?

今回は見事に一冊に収められた芸術とも呼べる作品をご紹介しましょう。

作:石黒正数先生
『外天楼』

 

 

『外天楼(げてんろう)』簡単3行あらすじ

ロボットや人工フェアリーなど、近未来の技術を根底の世界観に描き、ギャグも本格ミステリーも交えたショートSF全9話で送る連作短編集。

良作ミステリーの1話が、1コマが、徐々に大きなうねりとなって、ネタバレ厳禁の衝撃のラストへと繋がる。

猛烈に襲い掛かる戦慄と驚愕が、貴方をもう一度、今度は1ページ、1コマも見落とさぬ様に、再び外天楼の扉を開かせる。

 

掲載誌情報!

小説誌『メフィスト』で2008年9月号より連載しておりました、漫画作品でございます。
(小説誌で漫画連載って、あるんですね)
 

石黒先生と言えば、日常コメディの中に、ミステリーやホラーなど様々な要素を織り込んだ

「それでも町は回ってる」

「このマンガがすごい2019オトコ編」で見事一位に輝いた

「天国大魔境」

(現在連載中)等が有名ですね。 

勿論この二つもとってもいいんですけど、石黒正数先生と言う漫画家さんに触れた事がまだ無い人が居ましたら、是非この一冊から触れてみて下さい!

特に、

SFやミステリーが好き

と言う人は、是非読んで欲しいです。

数限りなく潜まれた伏線。二度目はがらりと姿を変える怪作。 

細かい部分が本当に良く出来ている為、初見では気づかない伏線が物凄くありますし、考察サイトも沢山あります。一話ごとに主人公も変わるし、キャラクターの数も本当に多い。

「よっしゃ、どんな謎が潜んでいるのか楽しみだ!」 

勿論、そうやって気合を入れて見るのもありかもしれません。(ミステリー好きの方に多い見方かもしれませんね)

ですが出来れば最初は、なーんにも前情報も先入観も無しで読んでみて欲しいです。

その方が、最後の驚きをより一層新鮮な物として楽しめると思うからです。

 

最初の話は下らなさ過ぎて、女性の読者さんは「なんじゃこりゃ?」って思っちゃうかもしれません。なんせ、男子中学生3人が「お宝本(敢えてのこの表記)」を探して右往左往している話がメインですからね。男性諸君には「あるある」と思われるネタかもしれませんけど、女性陣にはちと辛いかもしれません。

でもそこを乗り越えて読んでいくと、あら不思議、最後には立ち上がれない程の衝撃に襲われている筈です。

 

事実私は、外天楼の初見時、あまりの衝撃に暫く呆然として、椅子から立てませんでした。発売されたのが2011年なんですが、私は2012年明けてすぐ位に読んだんですね。

 

もうね、新年早々、今年最高の作品に出会ってしまった感が満載でしたよ!

当時仲の良かった友人の何人にも押し付けて、読ませましたね。とにかくね、読み終わるまでは何にも言えない程緻密な物語で、読んだ事の無い人間に、これを私の口から説明してしまうのはあまりに残酷であるし、勿体無いと感じ、だけど語りたい、この本について語りたいと思い、その結果友達に読ませまくったのです。語れる人間を作りまくった訳ですね!

元々『それでも町は回ってる』の読者ではあったのですが、それとはまた別格、もっと毒性の強い、もっと衝撃の強い、長編で見せる石黒先生とは違う、短編だからこその、凝縮された石黒節が堪能出来ます。

そして始まる、驚愕の二週目。

「これも伏線だったのか!」

「あれも伏線だったのか!」

ジェットコースターだと思っていたアトラクションが、実はお化け屋敷だった。

私自身、それ程の衝撃を受け、自分の漫画の読み方の甘さと、石黒正数と言う作家の凄まじさに震えたものです。

出来ればこれを、一本の劇場用映画として見たい(願望)

ぶっちゃけ、アニメでも実写でもなんでもいいとすら思ってます。先ずは自分が楽しんで、勿論二度見て、それを何も知らない友人に見せてあげたい。
そして見終わった後、共に深く語りたい。

そう、あの伏線はこの為だった、この伏線はこの為だったと、たった一冊に詰め込まれた芸術のと呼べる程の多さの伏線の嵐を、共有したい、語り合いたい、それを同時に劇場で味わいたい、そんな気分にさせてくれる作品なのです。

もしも既に読んでもらった方、私と同じ様に

「分かる、映像でも見てみたい!」

と思って下さる方は、私と本の趣味が似ているかもしれません。
外天楼が映像化した際は、是非共に観に行き、寝食を忘れて語り合いましょう!

と言う訳で、今回紹介致しましたのは、

作:石黒正数先生

『外天楼』 でした。

 

それでは今回はこの辺で。

ハクライト(@hakuraito00)でした!