御託はいい!聴け!想像しろ!『波よ聞いてくれ』
皆さんはラジオとか聞かれますか? 特に深夜ラジオ!
どうも、ラジオも漫画も大好きハクライト(@hakuraito00)です。
ラジオ好きの皆さんに、今回紹介するのはこちらの作品。
作:沙村広明先生
『波よ聞いてくれ』
『波よ聞いてくれ』簡単3行あらすじ
札幌に住む鼓田ミナレ(こだみなれ)はある日、酒場で出会った地元FMラジオ局のディレクター・麻藤(まとう)に密かに録音された失恋トークを、翌日の生放送で流されてしまう。
激昂したミナレはラジオ局に乗り込んで行くが、麻藤の口車に乗せられ、そのまま深夜の生ラジオで喋り始めてしまう。
ミナレが放つ、毒も薬も満載の劇薬マシンガントーク、これに打ち抜かれたなら、きっと深夜ラジオが聞きたくなる!
掲載誌情報!
講談社『月刊アフタヌーン』にて、2014年9月号から連載開始。
2019年3月現在も、絶賛連載中です!
木村拓哉さん主演で映画化もしました
「無限の住人」の
沙村広明先生最新作ですね。
作風が違いすぎてびっくりした!
「Twitterってラジオだ!」
ニッポン放送の吉田尚記アナウンサー(愛称はよっぴーさん。マンガ大賞の立ち上げでも有名な方ですね)の名言ですね。
確かに、ラジオとツイッターって、仰るとおりにとっても相性がいいんですよね。
ツイッターのハッシュタグを活用してリアルタイムでネタを拾ったり、更に今はメールもあるから、生放送の利点も思う存分生かせる。その場でパーソナリティーが募集した小ネタやアイディアを、ガンガンリスナーに募集をすると、とんでもないメールが来たりして、番組がどんどん面白くなっていく。
リスナーとパーソナリティーが共に番組を作り上げていく
聞き手と喋り手、双方向で作り上げるストーリー性のある番組が、テレビには無い、ラジオならではの文化だと思うんですよ。
そしてそして、深夜ラジオの更なる魅力は、普段テレビ等ではちょっと見れない、歌手や芸人さんの、ラジオパーソナリティーのより素に近い部分を感じる事が出来るので、他のメディアよりも距離の近い媒体であると思います。
それこそ、喋り手が『パーソナリティー』と言われる程、喋り手の『パーソナル』を聞き手がより近くに感じられる。
これが圧倒的な
ラジオの利点
だと私は思います。
私は昔はあんまり聞いていなかったのですが、ここ近年改めて、深夜ラジオの面白さを知って、がっつりはまってますね。深夜ラジオで言えば、TBSJUNKやオールナイトニッポン辺りは、本当によく聴いています。
(とんでもなく余談ですが、ラジオ日本で土曜日の27時からやってる『マシンガンズのネガポジ』って番組がマジで最高ですよ。)
ある日偶然聞いた、顔も知らない誰かの喋りがめちゃくちゃに心に刺さる、映像が無いからこそ、胸の奥底まで声が響いてくる、そんな体験したことありませんか?
もしその奥底に響く声が、本作主人公の鼓田ミナレだとしたら……。
毒にも薬にもなる劇薬ラジオ漫画、だけど中毒性は抜群!
とにかく沙村節と言うのか、ミナレ節と言うのか、畳み掛ける言い回しがひたすらに絶妙過ぎて大好き。
テンポの良さと小気味良さ。
他人事だからこそ甘露として聞ける、不幸に対する愚痴と言う最高の味の蜜。
いくらでも話は聞いて居たい、それなのに絶対に傍には置いておきたくない、お友達としてなら間違い無く面白いのに、
「あ~すいません、それ以上はちょっと近づかないでもらえますか?」
と思わせる、不快感を感じさせすぎない絶妙なウザさ。
「いやぁ~~~ッ、25過ぎてから男と別れるのってキツいですね!! 意味合い変わりますね」
「人間をカテゴライズするほど理解から遠い作業は無いと思います。『九州男児は亭主関白』『道産娘は気が強い』『東京もんは冷たい』『B型はクソ』それらの言葉のどこに個々の人格への興味があるでしょうか?」
「お前にとって世の中はチュッパチャップスか何かなのか? なめすぎだろ、ペロペロと」
こんなのがアドリブでサラサラサラ~っと出てくるんだから、そりゃあ
「こいつ、喋りの才能あるな!」
って思いますよね。
同時に
「まぁ、深夜じゃねぇと流せねぇな」
とも確かに思いますけどね。
御託はいい! 聴け!! 想像しろ!!!
最初は深夜ラジオならではの色々な試みや、とんでもな企画、そしてただただミナレの力量を試していくような、麻藤さんの無茶振り!
それに対し、毒づきながらも食らい付いていき、いつかこのまま行けば安定した生活を送れるんじゃないかと言う淡い期待を貪り、無茶振りをこなしていく。
そして徐々に顕わになっていく、
鼓田ミナレの驚異の人間性。
パーソナリティーのパーソナルが面白い!
ラジオ番組の面白さとは、ぶっちゃけ、これだけあればいいのかもしれませんね(極論)
深夜ラジオ、特に生放送のラジオを聴いたことがある人、今でもリアルタイムで聞いている人は、恐らくがっつりはまるであろう本作品。
とにかく一度手に取ってみて欲しい作品です。
そして、この本をご一読された暁には、是非とも深夜にチューナーを合わせ、無法地帯一歩手前の深夜ラジオの世界に、足を踏み入れてみてはいかがでしょう?
と言う訳で、今回紹介しましたのは、
作:沙村広明先生『波よ聞いてくれ』
でした。
と言う訳で、今回はこの辺で!
ハクライト(@hakuraito00)でした!