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八十歳の自分を想像出来ますか?『傘寿まり子』

どうも、100まで生きるぞ! ハクライトです(@hakuraito00)

そんな訳で、今回紹介しますのは、こちらの作品。

作:おざわゆき先生
『傘寿まり子』

『傘寿まり子』簡単3行あらすじ

4世代の同居生活を送る、80歳のベテラン小説家幸田まり子は、友人の葬儀に呼ばれるが、彼女が自分と同じ様な環境で、誰にも知られず孤独死をした事にショックを受ける。

「迷惑をかけるつもりじゃなかったのよ。自分でもつらいのよ。どうせこの先長くない人間なのに、まだ生きてて、ごめんなさいって……」

責任逃れをする彼女の娘に葬儀場でそう言った後、まり子は家族に迷惑をかけまいと置手紙を残し、80歳にして独立を決意し家を出るのであった。

 

傘寿と言うのは、80歳の事ですが、漢数字で「八十」と縦書きすると、「傘」の略字である「仐」に似て見えるから、と言うのが由来だそうです。

掲載誌情報! 

2016年12号より、女性向け漫画雑誌「BE・LOVE」にて連載開始。
2018年には、第42回講談社漫画賞、一般部門を受賞。
2019年3月現在、コミックス9巻まで発売中です。

貴方は今、おいくつですか?

これを読んでいる貴方は、今おいくつですか?

若い方も入れば、人生も半ばを過ぎた、と言う方もいると思います。

それでは、

貴方が八十歳になった時、何をしていると思いますか?

今と同じ様にバリバリと言うのは、体力的に無理かもしれません。

隣には誰がいるでしょう?
愛すべき配偶者でしょうか?
それとも、家族?
一人きりですか?

仕事は流石にしていないでしょうか?

お金の心配など、どうでしょうか?

私なんかは、先の事を考えれば考える程暗くなってしまったりするのですが、人生100年時代、八十歳で
「まだまだ人生半ば」
と考える未来も、今の時代、決して突飛な発想では無いでしょう。

 

八十歳の、パワフルな自分を想像出来ますか?

80歳のまり子さんに襲い掛かるのは、苦難の連続。80歳で一人住まいを暮らそうとするのも、独居の老人に貸してくれる不動産会社は中々無かったり、かと言ってホテルに何泊もするのはキツイ。ましてや若い頃の体力も無いから、野宿なんてとても無理。

それでもまり子さんは、持ち前の集中力で、ネットカフェで原稿を上げたり、80歳にして新たな恋に目覚めたり、新しい同世代の友人を作ったり、新たなプロジェクトに携わったりするなど、もう大忙し!

自分が80歳になった時の事を想像すると、とてもここまで動けるとは思えない、と感じる程、まり子さんのパワフルさに驚きます。

特にすごいのが、目の前の新しい技術や、今まで自分が知らなかった若者の文化にも、躊躇無くガンガン突っ込んでいくところ! とにかく物怖じせず、最近はスゴイのね、私でも出来るかしらと、色んなものに首を突っ込んでいく。そして、80歳のおばあちゃんと言う存在が、周りの人たちから無駄な警戒心を取り除き、気がつけばまり子さんは沢山の人に必要とされる存在になっていくのです。

それはまるで、若い頃にバリバリ作家として活躍していた時代を彷彿とさせるような仕事ぶり。勿論、体力的な無理は利かない部分もありますが、読んでいる内に段々、

「まり子さんがこんなに頑張ってるんだから、自分ももっと色んな事が出来るはずだ!」

と、元気をもらえるようになっているんです。

「女性が元気なのは、国が豊かな証拠です」

『もののけ姫』アシタカの台詞ですが、大阪のおばちゃん達のパワフルさを見ていると、その力強さに圧倒されつつ、この国はまだまだ元気だなと思える事があります。

今の時代、不景気不景気と聞いて、未来に興味も期待も持てない若者が増えているような気がします。ましてや自分の老後の事なんて、考えてもどうしようも無い。そんな方にこそ読んで欲しい。

老後でも、80歳でも、まだまだやれるんだと言う元気を、まり子さんから貰って欲しいです。

この作品のヒットは、メインの読者が40代~70代の女性と言う、本来そこまで漫画を読む層では無い方々の心を捉えた事です。同じ様に、毎日家事や育児で疲れていたり、子供が大きくなった後は夫の世話ばかり。
若い頃はもっとキラキラした生き方を想像していたのに、日々を生きるのに精一杯、そんな女性の心を鷲づかみにしたのが、本作なのでしょう。

是非私は、パワフルな女性達に負けないように、男性にもパワフルになって欲しい。同じ様な、40代~70代の男性には、女性向け漫画として販売されている本作は敷居が高いかもしれませんが、是非読んで欲しい一作となってます。

次々起こる家族の問題。
新プロジェクトの立ち上げ。
苦難は伴うが、平坦な道より生き甲斐を感じる。晩年になったとしても、まりこさんの様に、そう感じて生きていきたいものです。

100まで生きるぞ!

 

と言う訳で、今回紹介しましたのは、

作:おざわゆき先生

『傘寿まり子』

でした。

それでは、今回はこの辺で。

ハクライトでした。