日常に侵食する深淵『外れたみんなの頭のネジ』
皆さん、ホラーはお好きですか?
怖いな~でも見たいな~、どうもハクライト(@hakuraito00)です。
今回はホラー作品ですが、ホラーが苦手な人にこそ、是非読んで欲しい作品なんですよ。
それではようこそ、覚悟はよろしいですね?
と言う訳で今回ご紹介いたしますのはこちら
作:洋介犬先生
『外れたみんなの頭のネジ』
『外れたみんなの頭のネジ』簡単3行あらすじ
ここ最近街の人達が狂い始めていると感じていた七尾ミサキの元に、彼女にしか見えない悪魔のべへりんが現れた。
「悪魔の俺が見えるって事は、狂ってるのは街じゃなく、お前の方なんじゃないのか?」
狂っているのは自分か世界か、恐怖が日常に侵食してくるマッドサイコホラー。
掲載紙情報!
2015年6月14日より、WEBコミック配信サイト『GANMA!』にて連載中。
2019年3月現在、第7巻まで発売中。
「もしかしたら……」が付いて来る『日常系ホラー』
巷にホラー作品は沢山あります。
ゾンビやモンスターなどに襲われる『パニック系』
幽霊や亡霊など、正体不明の物にとり憑かれる『オカルト系』
突如理不尽な死のゲームに巻き込まれる『デスゲーム系』
などなど
私が今作品を分類するとしたら、
『日常系』
だと断言します。(ホラーの分類じゃないですね)
普通のフィクション要素の強いホラー作品は、見終わった後に「あー怖かった」と言って、日常に戻る事が出来るのですが、この作品(と言うか洋介犬先生の作品全般)の素晴らしい部分は、読み終わった後に、日常の細部に、
「もしかしたら……」
と言う疑念を抱かせるようになるところです。
本を閉じてもスマホを閉じても、帰り道の暗がり、電気の点いていない部屋、横断歩道向かいの女性の影に、物語の続きを見る事でしょう。
そして本作品は一話完結型の連作短編形式を取っております。
個々に起こる狂った事件はやがて折り重なり、徐々に一つの真実へと導かれて行きます。
そしてその暁には、貴方を狂気と深淵の世界へと導いてくれるでしょう。
深淵を覗く時、深淵もまた、こちらを覗いている。
この本のページを捲る事。
スマホをスワイプする事。
このブログで、作品を知る事。
そんな何気ない行為が、貴方を狂気の世界へと誘っているのかもしれません。
読み終わり、日常に戻ったと勘違いしていた貴方がいる『世界』
もしもある日、そんな世界が突然狂ったら?
もしもある日、家の裏に、謎の記号がびっしりと書かれていたら?
もしもある日、クラスメートが突然、奇声を発しながら教室中を走り回ったら?
もしもある日、電車で隣に座った人の必死にあやしている赤ちゃんが、人形だったら?
もしもある日、街中でぶつかった人の口の中に、もう一つ顔があったら?
ありえない、そんな事ありえる筈が無い。
普通の作品でしたら、そう捨て置くのは造作も無い事でしょう。
しかし、この作品を読み終わる頃には、
「もしかしたら……あの作品を読んだ所為かも……」
そんな有り得ない疑念が心の中に積み重なり、気づくとほら、貴方も狂った世界の住人となっているやもしれません。
そしてある日、街中の皆がおかしい行動をしていると感じた時に、意を決してそれを注意した貴方に向かい、皆が白い目を向け出します。
「何を言ってる! おかしいのはお前の方だろう!」
それを貴方は、本当に否定する事が出来ますか?
本当の恐怖と言うのは、恐怖体験をした時、それを『普通の出来事』だと思ってしまう事かもしれない。
狂った世界で正気を失うことは、不幸なのか? それとも幸せか?
夕方くらい、逢魔が時の時間くらいから読み始めると、読み終わる頃にはすっかり夜。闇を心地いいと感じたら、それは狂った世界に足を踏み入れている証かもしれません。
と言う訳で、今回紹介しましたのは、
作:洋介犬先生
「外れたみんなの頭のネジ」
でした。
では、今回はこの辺で。
ハクライト(@hakuraito00)でした!